スピンオンリーの式で磁気モーメントを求めよう【無機化学・錯体】

大学勉強の間

今回の記事では、大学の無機化学分野で学ぶ「スピンオンリーの式」について問題を解きながら解説していきます。

この記事を読んで、以下の問題を解くことができればOKです↓↓

問題

スピンオンリーの式を用いて、中心金属の3d電子数が5つである高スピン八面体型錯体の磁気モーメントを求めよ。

スピンオンリーの式さえ暗記してしまえば、こんな難しい問題も余裕で求めることが出来ます。

では、さっそくやっていきましょう。

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スピンオンリーの式とは

まずは、結論。スピンオンリーの式はこれです↓↓

ここで重要なことは2つだけ↓↓

重要事項

①「n」は不対電子数であること

②単位はボーア磁子で、記号はB.M.を用いること

最初の問題を解いてみよう

先ほどの式を使って、最初の問題に挑戦してみましょう。

問題

スピンオンリーの式を用いて、中心金属の3d電子数が5つである高スピン八面体型錯体の磁気モーメントを求めよ。

<解説>

①高スピンor低スピンを判断し、電子配置を決定する。

今回は、問題文から高スピンであることが分かっています。

また、3d電子数が5つのことから、画像に示すような電子配置に決定することができます。

高スピンなので、上の準位まで電子がすんなり入ることができます。

②不対電子数nを決める。

①に示した画像において、〇の中にあるスピン(電子)が独りぼっちであるものが、不対電子数です。

よって、画像より不対電子数は5個であることがわかります。

つまり、スピンオンリーの式におけるn=5と決定しました。

③スピンオンリーの式にnを代入する。

スピンオンリーの式に、先ほど求めたn=5を代入します。

μ [B.M.]=√(5(5+2))=√35=5.916・・・・

よって、磁気モーメントは5.92 B.M.であると求めることができました。

以上です。誤りがあればコメント指摘していただけると幸いです。修正します。

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