今回の記事では、大学からの高分子分野に登場する「シーケンス」について解説していきます。基礎的な4種類の並び方を確実に覚えましょう。
この記事を読んで、以下のことを理解できればOKです↓↓
・コポリマー中の繰り返し単位の並び方(シーケンス)とそれぞれの性質がわかる
並び方を理解できれば、性質を覚えるのは簡単です。さっそくやっていきましょう。
シーケンスとは?コポリマーとは?
シーケンスが理解できましたが、コポリマーがわかりませんね。
コポリマーの例としては、「EPゴム」が挙げられます。E=エチレン、P=プロピレンです。
つまり、ポリマー(高分子)の繰り返し単位がエチレンとプロピレンの2種類で構成されているということです。
このようなポリマーを「コポリマー(共重合体)」と言います。
ちなみに、繰り返し単位が1種類のみのポリマー(高分子)は、「ホモポリマー」と言います。
コポリマーは並び方を考える必要がある
1種類のみのホモポリマーでは、並び方は1種類しかありません。例えば、繰り返し単位をAとするならば、「-A-A-A-A-A-A-A-A-」です。つまり、シーケンスという考え方は出てきません。
しかし、2種類(ここではAとBとします)ならば、AとBの組み合わせ方によって、異なる並び方が生じます。この並び方のことを「シーケンス」と呼ぶのです。
シーケンスの種類
結論。最低限覚えなくてはいけないシーケンスの並び方はこれです↓
並び方が4種類あるならば、それぞれが示す名称と性質も4種類あります。全て覚えてしまいましょう。
ランダムコポリマーではAとBの平均的な性質を示す。並び方は無秩序ですが、だいたいAとBが等量あると考えれば良いです。
ここが一番理解が難しいです。交互なのだから、ランダムコポリマーが持つ平均的な性質で良いのでは?と思うかもしれませんが、AともBとも異なる性質を持ちます。考え方としては(-AB-)というAともBとも異なる物質が最小単位になっていると考えます。例えば、水素Hと酸素Oから構成されている、水H₂Oが完全に水素と酸素の性質を示しているかと言えば違います。同様に、(-AB-)がAとBの性質を持っているかと言えば、違います。よって異なる性質なのです。
ブロックコポリマーはわかりやすいですね、それぞれが塊で存在しているため、AとBの性質を反映しやすいため、コポリマーは両者の性質を持っています。
グラフトコポリマーもブロックコポリマーと同じですが、分岐しているため、分岐自体が持つ性質を持っています。
これらが、最低限のシーケンスの種類です。もちろん他にも並び方はたくさん考えられますが、ひとまずこの4種類を覚えておけば、大丈夫です。
以上です。誤りがあればコメント指摘していただけると幸いです。修正します。
コメント