【大学有機化学】不飽和度の求め方と計算式の覚え方を完全パターン化

大学勉強の間

今回の記事では、大学の有機化学に登場する「不飽和度の計算」について解説していきます。使う公式は1つだけなので、問題演習を重ねて確実に解けるようにしましょう。

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この記事を読んで、以下のことを理解できればOKです↓↓

・不飽和度の計算ができる

では、さっそくやっていきましょう。

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不飽和度の公式

まずは結論。今回使用する超重要な不飽和度の公式はこれのみです↓↓

【超重要】不飽和度の公式

この不飽和度の式のみで、不飽和度に関する問題を全て解くことが可能です。これからの問題演習でもありますが、化学式に「酸素O」を持っている化合物がありますが、酸素Oの数は、不飽和度の式の計算においては無視をします。化合物に対して、単純に、この式を使用してください。

そもそも不飽和度とはという方には、コトバンクさんからの引用を示します↓↓

分子式のわかった分子中の環および二重結合の数をいう.三重結合は二重結合2個分として計算する。(引用ページ)

この不飽和度の定義から、覚えてほしいことは、環および二重結合、三重結合の不飽和度の値です。

不飽和度の値

二重結合=不飽和度1

環構造=不飽和度1

三重結合=不飽和度2(二重結合2個分)

ここまでくれば、後は問題演習のみです。たくさん解いて慣れていきましょう。

問題演習(2パターンを覚えましょう)

まずは2つの問題パターンを提示します。これしか出ません↓↓

問題パターン

①化学式から不飽和度を求める

②環や二重結合の数から不飽和度を求め、化学式を決定する

不飽和度の分野は以上の2つの問題しか基本的に出題されることはありません。更に使う式は、先ほどの不飽和度の公式のみです。では、さっそく問題演習をしていきましょう。

問題パターン1:化学式から不飽和度を求める

問題1

C₄H₈の不飽和度を計算せよ

<解答>

不飽和度の公式より、(※NとXはないので、0として考える)

(2C+2+N-H-X)/2 = (2×4+2-8)/2 = 1

よって不飽和度=1

問題2

C₉H₁₆Br₂の不飽和度を計算せよ

<解答>

不飽和度の公式より、(※Nはないので、0として考える)

(2C+2+N-H-X)/2 = (2×9+2-16-2)/2 = 1

よって不飽和度=1

問題3

C₂₀H₃₂ClNの不飽和度を計算せよ

<解答>

不飽和度の公式より、

(2C+2+N-H-X)/2 = (2×20+2+1-32-1)/2 = 5

よって不飽和度=5

問題4

C₁₀H₁₂N₂O₃の不飽和度を計算せよ

<解答>

不飽和度の公式より、(※Xはないので、0として考える)

酸素Oは不飽和度の公式に関係ないので無視する

(2C+2+N-H-X)/2 = (2×10+2+2-12)/2 = 6

よって不飽和度=6

問題パターン2:環や二重結合の数から不飽和度を求め化学式を決定する

問題1

ジアゼパムは3つの環と8つの二重結合を持っている。

化学式において水素は不明でC₁₆H?ClN₂Oとき、水素の数はいくつか

<解答>

不飽和度の値

二重結合=不飽和度1

環構造=不飽和度1

三重結合=不飽和度2(二重結合2個分)

上記の不飽和度の値を利用して、ジアゼパムの総不飽和度を求める。

総不飽和度=3つの環×不飽和度1+8つの二重結合×不飽和度1=11

不飽和度の公式より、11=(2C+2+N-H-X)/2=(2×16+2+2-H-1)/2

Hについて求めると、H=13。

よってジアゼパムは水素を13個持ち、C₁₆H₁₃ClN₂Oの化学式である。

問題2

ロラタジンは4つの環と8つの二重結合を持っている。

化学式において水素は不明でC₂₂H?ClN₂O₂とき、水素の数はいくつか

<解答>

不飽和度の値

二重結合=不飽和度1

環構造=不飽和度1

三重結合=不飽和度2(二重結合2個分)

上記の不飽和度の値を利用して、ロラタジンの総不飽和度を求める。

総不飽和度=4つの環×不飽和度1+8つの二重結合×不飽和度1=12

不飽和度の公式より、12=(2C+2+N-H-X)/2=(2×22+2+2-H-1)/2

Hについて求めると、H=23。

よって、ロラタジンは水素を23個持ち、C₂₂H₂₃ClN₂O₂の化学式である。

以上です。誤りがあればコメント指摘していただけると幸いです。修正します。

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