【裏技】高校化学ビニロンのアセタール化理由と割合計算問題を一瞬で

大学受験の間

今回の記事では、高校の高分子分野で学ぶ、「ビニロン」について作り方と計算方法を解説します。

ビニロンとは、「日本で初めて開発された合成繊維」のことです。魚網などに使われます。

この記事を読んで、下の問題を一瞬で解くことができます↓↓

問題

ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の30%をアセタール化したビニロンを100g作りたいとき、以下を求めよ。

(1)必要なビニルアルコールの質量

(2)必要な39%のホルムアルデヒドの式量

超難しそうですよね。でも、大丈夫!!この記事を見れば解けるようになります。

では、さっそくやっていきましょう

スポンサーリンク

ビニロンをつくるまでのステップ

まずは、結論。ビニロンは以下の3ステップによって作られます↓↓

ビニロン合成ステップ

①アセチレンに酢酸を付加して、ポリ酢酸ビニルをつくる(付加重合)

②ポリ酢酸ビニルをけん化して、ポリビニルアルコールをつくる

③ポリビニルアルコールのOH基をホルムアルデヒドで一部アセタール化⇒ビニロン完成

視覚的にわかりやすくするために1つずつ画像で解説していきます。

①アセチレンに酢酸を付加して、ポリ酢酸ビニルをつくる(付加重合)

ここは単純な化学反応ですね。ビニロンは「高」分子ですから、たくさんほしいので、重合します。

②ポリ酢酸ビニルをけん化して、ポリビニルアルコールをつくる

作られたポリビニルアルコールはOH基を持つため、水溶性を示します。

ビニロンは合成繊維で魚網に使われると最初に紹介しました。

繊維が水溶性では魚網には使えませんよね。(海に入れた瞬間に無くなってしまう)

ということでここから水溶性の性質をなくします。

③ポリビニルアルコールのOH基をホルムアルデヒドで一部アセタール化⇒ビニロン完成

アセタール化によって水溶性の物質から、水に溶けにくいのビニロンができました。

これがアセタール化する理由となります。

アセタール化する理由

水溶性のポリビニルアルコールから、水に溶けにくいビニロンを作るため。

以上が、ビニロンの作り方ステップになります。ここからは計算方法となります

【裏技!?】ビニロンの計算方法:式2つだけ

まずは結論。ビニロン周りの計算で覚える式は以下の2つです↓↓

88ってなに?

88は、ポリビニルアルコール2つ分の分子量を指します。

ビニロンを作るためには、ビニルアルコールを2つ使う必要があります。(上の作り方を参照)

ポリビニルアルコールの「一部」をアセタール化して、ビニロンを作ります。

すなわち、ビニロンには、「アセタール化された部分」と「されていない部分」の2つが存在します。

されていない部分はビニルアルコール2つ分ですから、分子量は88です。

アセタール化された部分は、水素が2つ抜けて、CH₂が追加されるので

分子量は12だけ多い、100となります。

これは、複雑ぽいですが、簡単な比の計算ですね。

ポリビニルアルコール2つとホルムアルデヒド1つでアセタール化するので、比は同じはずです。

これらの式①、式②でビニロン周りの計算は簡単にできます。

最初の問題を瞬殺してみよう

先ほどの式を使って、最初の問題に挑戦してみましょう。

問題

ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の30%をアセタール化したビニロンを100g作りたいとき、以下を求めよ。

(1)必要なビニルアルコールの質量

(2)必要な39%のホルムアルデヒドの式量

<解説>

(1)は式①に、(2)は式②に値をそのまま代入すればよさそうですね。

未知数は、AとBと置きます↓↓

(1)からAの値を出せば、(2)のBの値を出すことができますね。計算はお願いします。

以上です。誤りがあれば修正します。

コメント