【必読!!】熱化学方程式の書き方と反応熱の定義をマスターしよう

大学受験の間

今回の記事では、高校化学でかなり重要な「熱化学方程式」について解説していきます。特に熱化学方程式の書き方に焦点を当てます。忠実にルールを守りましょう。計算よりも圧倒的に書き方が重要です。

この記事を読んで以下のことを理解できればOKです↓↓

・熱化学方程式の書き方を完全に理解できる

・反応熱の種類とそれぞれの定義を書くことができる

ではさっそくやっていきましょ!

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【必読】熱化学方程式の書き方のルール

まずは結論。守らなければいけないルールは全部で5つです↓

熱化学方程式のルール

①他の物質を分数にしてもいいから、着目物質の係数を「1」にする

②物質の状態を必ず書く。(例) H₂O(気)、C(黒鉛)

※同素体を持つものは、一番安定したものを書く。誤C(ダイヤモンド)、正C(黒鉛)

➂発熱反応は「+」、吸熱反応は「ー」を右辺の最後に書く

④多量の水、●●水溶液は、「aq(アクア)」で表す

⑤「=」を使い、「→」は絶対に使ってはいけない

以上の5つのルールを絶対に守らなくてはいけません。一つでも欠けていると大幅に減点されます。特に①、②、⑤は慣れてくると、忘れがちなので本当に本当に気を付けましょう。ルールに慣れるために、この5つを用いて、実際に熱化学方程式を書いてみましょう

問題

炭素(黒鉛)、水素、酸素から、メタノールCH₃OHの液体が1mol生じると、239kJの発熱があった。熱化学方程式を示せ。着目物質はメタノールCH₃OHとする。

<解説>

①着目物質が何か把握する→メタノールCH₃OH
②物質の状態を書く→炭素(黒鉛)、水素(気体)、酸素(気体)、メタノール(液体)
➂発熱反応/吸熱反応を把握する→239kJの発熱反応:右辺に+239KJ
④多量の水、●●水溶液の記載→今回はなし:aq(アクア)は使わない
⑤「=」を使うと心で誓う!!私は「→」は絶対に使わない!!

ということで熱化学方程式を書くことこうなります↓

2C(黒鉛) + 4H₂(気体) + O₂(気体) = 2CH₃OH(液体) +239kJ

※上の式で、化学反応式としては合っているが、熱化学方程式としては間違えています。

このままだと、①他の物質を分数にしてもいいから、着目物質の係数を「1」にするが反映されていません

よって、着目物質であるメタノールCH₃OHの係数が「2」であるから、「1」にする。

<解答>

C(黒鉛) + 2H₂(気体) + 1/2O₂(気体) = CH₃OH(液体) +239kJ

これで、熱化学方程式の超重要なルールの説明は以上です。

一応、補足で状態は、気体なら、(気体),(気),(g),(gas)など、どれを書いても正解になる。おそらく先生は英語表記の場合が多いです。しかし、おすすめは日本語です。画数多くても、すぐわかるし、化学に他の教科(英語)を持ち込まないのが大事です。処理が増えてしまいますから。

反応熱の種類

まずは結論。覚えなくてはいけない反応熱の種類と定義はこれです↓

①燃焼熱:1molの物質が、完全燃焼するときの熱量
※100%発熱反応。式の最後は「+数字」で終わる

②中和熱:1molの水H₂Oができるときの熱量
※100%発熱反応。式の最後は「+数字」で終わる

③生成熱:成分元素の単体から、1molの物質を生成するときの熱量

④溶解熱:1molの物質が、多量の溶媒に溶けるときの熱量
※aq(アクア)で表す

①~④が反応熱の種類です。それぞれの着目物質は決まっています↓

①燃焼熱:着目物質:材料、②中和熱:着目物質:水H₂O

③生成熱:着目物質:完成品、④溶解熱:着目物質:溶ける物質

先ほどの例題では最後に「着目物質はメタノールです」とありましたが、あんなに親切な問題には二度と会うことができません。自分で着目物質を探す必要があります。よって反応熱から、見つけましょう。

ねくお
ねくお

中和熱の着目物質を塩(えん)だと思う人が多いですが、

どの中和反応にもあるのは、水です。水です。水なのです。

また、全ての定義に共通して「1mol」と表記されいますが、これが超重要なのです

熱化学方程式と1mol

・定義を書く問題で、1molを書き忘れたら0点確定

・着目物質の係数が1mol以外のときは、熱化学方程式を修正しなくてはならない

・熱量はmolに比例している

特に、2個目の1molに修正するのを、忘れる学生が多いです。

とにかく、着目物質は1mol1mol1molです。

ということで、こっから、問題演習を数問やって慣れていきましょう

問題演習:熱化学方程式を示せ。

問題1

メタン1molが、完全燃焼すると、891kJの熱が発生した。(水は液体とする)

「完全燃焼」:燃焼熱。
着目物質は材料:メタン1mol。
問題文のメタン:1mol
有機物の燃焼:酸素を使い、水と二酸化炭素生成

CH₃(気体) + 2O₂(気体) = CO₂(気体) + H₂O(液体) +891kJ

問題2

塩酸と水酸化ナトリウムの水溶液の中和で水が6g生じたときに、18.8kJの発熱があった。

「中和」:中和熱。
着目物質は水1mol。
問題文の水:6g=1/3mol
熱量は問題文の3倍:18.8KJ×3≒56kJ。
●●水溶液:aqをつけよう

HClaq + NaOHaq = NaClaq + H₂O(液体) +56kJ

問題3

エタンC₂H₆の燃焼熱は1561kJである。

燃焼熱
着目物質は材料:エタン。
有機物の燃焼:酸素を使い、水と二酸化炭素生成。

C₂H₆(気体) + 7/2O₂(気体) = 2CO₂(気体) + 3H₂O(液体) +1561kJ

ねくお
ねくお

熱化学方程式のルール守ってますか?

「→」ではなく「=」ですよ。

物質の状態書いてますか?

問題4

メタノールCH₃OHの生成熱は239kJである。

生成熱。
着目物質はメタノールCH₃OH。
生成熱の定義より材料は成分元素の単体。
メタノールの成分は、C、H、O。
よって単体は、C、H₂、O₂。これが材料

C(黒鉛) + 2H₂(気体) + 1/2O₂(気体) = CH₃OH(液体) +239KJ

問題5

塩化ナトリウムNaClの溶解熱は、-3.88kJである。

溶解熱
溶解熱の定義より、多量の溶媒(水)を使う:aqで対応
※溶解熱のときは、物質にaqではなく、直接aqが反応する。

NaCl(固体) + aq = NaClaq -3.88kJ

問題演習は以上です。これら5問が全て解くことができれば、熱化学方程式は完璧です。

以上です。あなたが「→」を書かずに、「=」を書くことを願って…

誤りがあれば、コメント指摘していただけると幸いです。修正します

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