【有機化学】アルコールの性質をわかりやすくまとめました【大学受験】

大学受験の間

今回の記事では、有機化学分野で出題される「アルコール」について解説します。最低限覚えてほしいアルコールについての基礎知識になっていますので、ここは確実に理解できるようにしましょう。

今回の記事で以下のことを理解できればOKです↓↓

・中性であること

・級ごとの酸化反応の違いと炭素数が不変であること

・ナトリウムNaと反応して、水素を発生させること

・エステル化の材料として使われること

・メタノールの脱水反応

以上の5個がアルコールの超超基礎ラインですので、確実に覚えていきましょう。

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①中性であること

アルコールは、酸性、中性、塩基性のうち「中性」を示します。

同じOH基を持つフェノールは、「弱い酸性」なので注意しましょう。

中性であるか、酸性であるかは、アルコールとフェノールを区別するときに役に立ちます。

②酸化反応

まずは重要なポイントを押さえましょう

【重要】アルコールの酸化反応

・第1級は2回酸化、第2級は1回酸化、第3級は0回酸化

・酸化の過程で炭素Cの数は変わらないこと

アルコールは第何級に属するかによって酸化の程度が異なります。

アルコールの酸化の程度

第1級アルコール→アルデヒド→カルボン酸

第2級アルコール→ケトン

第3級アルコール→×

級数は「水素の数」に着目することで見分けることができます。

第1級アルコール:OHが結合している炭素Cに、水素原子が2個以上

第2級アルコール:OHが結合している炭素Cに、水素原子が1個

第3級アルコール:OHが結合している炭素Cに、水素原子が0個

あくまでも「OHが結合している炭素C」の水素についてです。

酸化反応で、必ず出る代表的なのは、メタノールとエタノールです。

①メタノールCH₃OH→ホルムアルデヒドHCHO→ギ酸HCOOH

②エタノールC₂H₅OH→アセトアルデヒドCH₃CHO→酢酸CH₃COOH

①、②の反応は必ず覚えましょう。

①、②を見てわかるように酸化の過程で炭素Cの数が一定です。

①の反応であれば、どんなに酸化しても、メタノールもホルムアルデヒドもギ酸も炭素数は1。②であれば、炭素数は2という具合です。

炭素の数が変わらないと嬉しいことは構造がとりあえずは想像しやすいということです。炭素数1とか2では、あまり実感湧かないかもだけど、6とか7とかになったら、ものすごい効力を発揮します。

③+Na→H₂

まずは重要な反応式について押さえましょう。

アルコールとナトリウムの反応

2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H₂

アルコール+ナトリウム→ナトリウムアルコキシド+水素

アルコールは単体のナトリウムと反応し、上記のように水素を発生させます。

どんなに構造が複雑なアルコールであったとしても、上の反応式ですので、

テンプレートとして、完全に暗記をしてしまってください。

アルコール+ナトリウム→ナトリウムアルコキシド+水素

R-OH + Na → R-ONa + H₂

※水素以外の係数が全て「2」と覚えておきましょう

水素以外の反応物質の係数は全て2であること

ナトリウムアルコキシドの「アルコ」の部分の名前が、反応に使用したアルコールの名前になります。

④エステル化の材料

ナトリウムの反応と同様に、反応式にテンプレートがあります。

エステル化の反応式

R-COOH + HO-R’ ⇄ R-COO-R’ + H₂O

カルボン酸+アルコール ⇄ エステル+水

左から右へ進行する反応を「エステル化」と言います。

右から左へ進行する反応を「加水分解」と言います。

出題頻度が高いのは酢酸エチルの反応式です。

酢酸エチルの反応式

CH₃COOH + C₂H₅OH ⇄ CH₃COOC₂H₅ + H₂O

酢酸+エタノール ⇄ 酢酸エチル+水

⑤脱水反応

アルコール、特にエタノールの脱水反応について押さえましょう。

①分子内脱水(160℃~170℃程度)

エタノールC₂H₅OH→ エチレンCH₂=CH₂

②分子間脱水(130℃程度)

エタノールC₂H₅OH → ジエチルエーテルC₂H₅-O-C₂H₅

違いは「温度」と「分子内or分子間」です。

ねくお
ねくお

要するに、分子なら1つ、分子なら2つ

温度条件が異なるだけ覚えればOK

以上です。誤りがあれば、コメント指摘していただける幸いです。修正します。

コメント

  1. John Dow より:

    メタノールの化学式がエタノールになっている。

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