【高校化学】ハーバーボッシュ法(鉄系触媒×高温×高圧)を解説!

大学受験の間

今回の記事では、4大工業製法の1つ「ハーバーボッシュ法」について解説します。無機化学の分野において4大工業的製法の理解は必須であり、出題率も高いです。ここでマスターしましょう!

この記事を読んで以下のことを理解できればOKです↓↓

  • ハーバーボッシュ法の反応式が書ける
  • ハーバーボッシュ法の反応条件がわかる

現段階では、理解できなくて大丈夫です。さっそく解説しましょう!

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ハーバーボッシュ法の反応式

まずは結論。ハーバーボッシュ法の反応式はこれです↓

ハーバーボッシュ法の反応式

N₂+3H₂→2NH₃
反応条件:(触媒:Fe₃O₄、高温:400℃~600℃、高圧)

4大工業製法の中で一番反応式が少ない、一番簡単な反応式です。

4大工業製法全てに共通することですが、反応式を書けることは最低条件です。

ハーバーボッシュ法の反応条件

まずは結論。ハーバーボッシュ法の反応条件はこちらです↓↓

ハーバーボッシュ法の反応条件

鉄系触媒×高温×高圧

ハーバーボッシュ法の反応式は1つしかないので簡単だと思いがちですが、ハーバーボッシュ法で重要なのは、反応式ではなく、反応条件です。

※反応条件に関して重要なこと2つ

①鉄系触媒の基本はFe₃O₄

鉄系触媒として基本的に利用するのは、Fe₃O₄です。

②理想条件は鉄系触媒×低温×高圧

アンモニアを生成する反応を熱化学方程式で表すと

N₂(気)+3H₂(気)= 2NH₃(気)+92kJ

したがって、この反応は発熱反応です。

今、たくさんの欲しいのはNH₃なので、ルシャトリエの原理において、右方向に進めたいのです。

ルシャトリエの原理における条件を変える外的要因は濃度、圧力、温度の3つです。それぞれにおいて最もアンモニアが手に入る方法を考えましょう。

濃度

窒素と水素の濃度を増やす⇒減らす方向(右)に進む⇒アンモニアがたくさん手に入る

圧力

増圧する⇒減圧する方向(右)に進む⇒アンモニアがたくさん手に入る

温度

温度を下げる⇒発熱する方向(右)に進む⇒アンモニアがたくさん手に入る

以上のことから、アンモニアがたくさん手に入る反応条件は、高濃度×高圧×低温になります。高濃度は当たり前ですので、高圧×低温になります。

しかし、低温にすると、アンモニアがたくさん手に入る代わりに、反応速度(温度に依存:高温なほど大きい)が、小さくなるので、なかなかアンモニアになってくれなくなってしまう。よって反応速度のために、仕方なく高温しています。もっといえば、鉄系触媒の必要性はここに出てくるのです。高温にしたため、アンモニアがたくさん手に入る理想条件ではなくなるため、反応の助けとして触媒としてFe₃O₄を入れているのです。

よって反応条件は当初に記載した通り、鉄系触媒×高温×高圧なのです。

以上のことを使用して、このような問題が出題されることがあります↓↓

入試問題

ハーバーボッシュ法において、なぜ反応条件を高温にする必要があるのか

<解答>

ルシャトリエの原理から、低温の場合のほうが、アンモニアをより多く回収できるが、低温であると、反応速度が小さくなってしまい、アンモニアを効率よく回収できないため。

それでは、はじめにのpointがきちんと理解できているかを自分で確認しましょう↓↓

  • ハーバーボッシュ法の反応式が書ける
  • ハーバーボッシュ法の反応条件がわかる

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以上です。あなたの高校化学が救われることを願って…

誤りがあれば、コメント指摘していただけると幸いです。修正します。

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