今回の記事では、高校化学の「混合物の分離」と「試薬の保存」について解説します。
この記事を読んで以下のことを理解できればOKです↓↓
・具体例から、混合物の分離法がすぐ言える
・試薬をなぜその環境で保存するかを言える
では、さっそくこの2点を踏まえて分離法からいきましょう!
混合物の分離の出題パターン
まずは結論。混合物の分離問題の出題のほとんどはこれです↓
よって分離法の名称と具体例をセットで覚えましょう!
高校化学で覚えなくてはいけない分離法は以下の7つです。
それぞれをしくみと共に見ていきましょう。
①ろ過 具体例:砂が混ざった水
説明:ろ紙の通るものとそうでないものを分離。水に溶けにくいものと溶けやすいものとの分離
②蒸留 具体例:海水(塩+水)
説明:加熱→気体で分離→冷却して液体にして回収
③分留具体例:液体空気、ガソリン
説明:蒸留により、沸点の異なる液体の混合物を沸点の低い成分から順に取り出す
④再結晶具体例:硝酸カリウム
説明:溶解度の変化を利用する
⑤抽出具体例:茶→色素
説明:溶媒に対する物質の溶けやすさを示し、適当な溶媒を加え、溶解する
⑥昇華法 具体例:ナフタレン、ヨウ素
説明:固体→気体で分離→再び固体にして回収
⑦クロマトグラフィー 具体例:タンパク質、色素
説明:吸引力の差を利用
説明の赤字もキーワードとして覚えておきましょう。
混合物の分離は以上となります。続いて試薬の保存に行きましょう
出題される試薬の保存と理由一覧
まずは結論。試薬保存で重要なことはこれです↓
(1)~(3)をセットで全て覚える必要があります。ではさっそく見ていきましょう
⓪名称・保存場所・理由:~~
①ナトリウム(アルカリ金属)・石油中・理由:水や空気と激しく反応するため
②黄リン(P₄)・水中・理由:空気中で自然発火するため
③臭化銀(AgBr)・褐色びん中・理由:光で分解されるため
④硝酸銀(AgNO₃)・褐色びん中・理由:光で分解されるため
⑤濃硝酸(HNO₃)・褐色びん中・理由:光で分解されるため
⑥臭素(Br₂)・アンプル中・理由:揮発性の腐食性液体であるため
⑦NaOH水溶液・ゴム栓のガラスびん中・理由:二酸化炭素と反応して、固体Na₂CO₃ができるため
⑧NaOH(固)・デシケーター(下に濃硫酸がある器具)・理由:吸湿性があるため
⑨CaCl₂(固)・デシケーター(下に濃硫酸がある器具)・理由:吸湿性があるため
⑩フッ化水素酸(HF)・ポリエチレン容器中・理由:ガラスを腐食するため
⑪ピクリン酸(分子中にニトロ基)・少量に分けて冷暗所・理由:爆発しやすいから。
以上11個が、試薬の保存の分野で主に出題されるものです。特に②、⑩は、出題されやすい傾向があります。最低限覚えておきましょう。
以上です。
誤りがあれば、コメント指摘していただけると幸いです。修正します。
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