今回の記事では、無機化学分野の「ケイ素Si」について解説します。無機化学は暗記が多いので、何回も復習して覚えましょう。
この記事を読んで以下のことを理解できればOKです↓↓
・水ガラス、シリカゲルを作る反応ステップが書ける
・ケイ素Siの基本知識と頻出記述問題を覚える
では、さっそくやっていきましょう!
水ガラス、シリカゲルを作る反応ステップ
まずは結論。水ガラス、シリカゲルを作る反応ステップこれです↓
①二酸化ケイ素を高温で塩基と反応させて、ケイ酸ナトリウムを作る
②ケイ酸ナトリウムに水を加えて、水ガラスを作る
➂水ガラスを酸と反応させて、ケイ酸を作る
④ケイ酸を乾燥させて、シリカゲルを作る
もう少しステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ①では、二酸化ケイ素SiO₂を高温で塩基と反応させて、ケイ酸ナトリウムNaSiO₃を作ります。
反応式はこちらです↓↓
SiO₂ + 2NaOH → NaSiO₃ + H₂O
※ここで二酸化ケイ素SiO₂の重要な性質があります↓
水と反応せず、高温で塩基と反応する
上記のような性質を持っていることで、二酸化ケイ素SiO₂は、水ではなく、高温にして塩基である水酸化ナトリウムNaOHと反応させます。
ステップ②では①で作ったケイ酸ナトリウムNaSiO₃に水を加えて、水ガラスを作ります。
「水を加えて」なので、+H₂Oかと思いますが、ここでは単純にケイ酸ナトリウムNaSiO₃を水溶液にしているだけなので、反応式はありません。そしてできたケイ酸ナトリウム水溶液を水ガラスと言います。

用語「水ガラス」を覚えましょう!
ステップ③では②で出来た水ガラス(ケイ酸ナトリウム水溶液)を酸と反応させて、ケイ酸H₂SiO₃を作ります。ここで出来たケイ酸は白色のゲル状沈殿となっています。
反応式はこちらです↓↓
NaSiO₃ + 2HCl →NaCl + H₂SiO₃
ステップ④では、③で作ったケイ酸H₂SiO₃を乾燥させることでシリカゲルを作ります。
ここもステップ②と同様に乾燥させるだけなので反応式はありません。

用語「シリカゲル」を覚えましょう!
今までの二酸化ケイ素SiO₂から始まって、シリカゲルを作る過程を簡単に表記すると以下になります↓
①SiO₂と塩基⇒ケイ酸ナトリウム、
②ケイ酸ナトリウムと水⇒水ガラス
③水ガラスと酸⇒ケイ酸(白色のゲル状沈殿)
④ケイ酸を乾燥⇒シリカゲル
①、③の反応式、②、④の水ガラスとシリカゲルという単語は確実に覚えましょう。
ケイ素Si周りの基本知識と記述問題
まずは結論。ケイ素周りの基本知識は以下の6つです↓
①ガラスSiO₂にフッ化水素HFが反応すると、ガラスが溶ける
①の反応式はこちらです↓
SiO₂ + 6HF → H₂SiF₆ + 2H₂O
②二酸化ケイ素SiO₂は状態によって名称が異なる
(1)天然に存在⇒石英
(2)透明な単結晶として存在⇒水晶
(3)砂状として存在⇒ケイ砂
(4)二酸化ケイ素SiO₂を細かくして存在⇒光ファイバー
➂ケイ素Siの単体はダイヤモンドと同じ構造=共有結合
④ケイ素Siは半導体の材料として使われる
⑤二酸化ケイ素SiO₂は別名「シリカ」と呼ばれる
➅二酸化ケイ素は、水と反応せず、高温で塩基と反応する
結論。頻出の記述問題と答えはこの2つです。
シリカゲルが吸着性に優れている理由を、構造から答えよ。
<解答>多孔質で、質量のわりに表面積が大きいから(活性炭と同じ性質)
シリカゲルと水ガラスが粘性の性質を持つ理由を答えよ。
<解答>ケイ酸イオンは、鎖状構造を取り、うごきにくく、絡め合うため。
以上です。あなたのケイ素への理解が楽になることを願って…
誤りがあれば、コメント指摘していただけると幸いです。修正します。
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